男性型脱毛症

男性型脱毛症は早期診断と適切な治療によって進行を遅らせたり改善したりすることが可能です。
専門のクリニックで相談して個々の症状に合わせた治療計画を立てることをお勧めします。

原因

男性型脱毛症は、主に遺伝とホルモンの影響によって引き起こされます。

• 主因は、男性ホルモンであるテストステロンが酵素（5αリダクターゼ）によってジヒドロテストステロン（DHT）に変換されることです。DHTが毛根の成長を抑制します。
• 遺伝的素因により、DHTに対する毛根の感受性が高い場合、脱毛が進行しやすくなります。
• 年齢とともにDHTの影響が強まり、脱毛の発症や進行が見られることがあります。

診断

• 家族歴（遺伝要因）や脱毛の進行状況、ストレスや生活習慣の確認をします。
• 視診触診を行い、頭皮の状態や脱毛パターンを確認します。
  　前頭部（M字型）の後退
  　頭頂部の薄毛
  　側頭部や後頭部の毛髪は比較的保たれる

治療 男性型脱毛症の治療は、大きく以下の3つに分類されます。

①薬物療法

• 内服薬（フィナステリド、デュタステリド）：5αリダクターゼを抑制してDHTの生成を減少させます。
• フィナステリド（プロペシア）：主に2型5αリダクターゼを阻害
• デュタステリド（ザガーロ）：1型および2型5αリダクターゼを阻害してより強力な効果を発揮
• 外用薬（ミノキシジル） ：頭皮の血行を促進し、毛母細胞の活動を活性化します。一般的に5%濃度のものが使用されます。当クリニックでは内服薬は推奨していません。

②外科的治療

自毛植毛 側頭部や後頭部の健康な毛髪を移植する方法。移植した毛髪はDHTの影響を受けにくいため永久的な効果が期待されます。

③補助療法

補助療法だけで問題の解決は困難ですが、必要に応じて試みられることがあります。
低出力レーザー治療（LLLT） ：毛根の代謝を活性化して育毛をサポート
頭皮マッサージ・ケア：血行促進や毛根の健康維持を目的とします

④ライフスタイルの改善

ライフスタイルに気を配ることは大切です。
バランスの良い食事：ビタミン（特にB群）や亜鉛、鉄分を含む食事が推奨されます。
ストレス管理：ストレスは脱毛悪化の要因となるため、適度な運動や十分な睡眠が重要です。

治療の留意点

治療効果は個人差があります。
内服薬や外用薬は継続使用が必要です。使用を中止すると効果が失われる可能性がありますのでご注意ください。また、隔日投与なども効果が安定しませんので避けていただくようにお願いしています。
副作用が生じる場合があるため、医師の指導のもとで治療を行うことが重要です。